Las caracol 2015秋冬号
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人形町のシンボル“からくり時計”のすぐ近くにひっそりとある扇子のお店「かなや末広」。店内は色とりどりの扇子や和風雑貨が目を惹く。創業130年も続くこのお店は、東京店開設のため京都からやってきた。老舗店が多く立ち並ぶ人形町にはお年寄りの方が多く、このお店に来るお客さんも例外ではない。しかし近年、おしゃれの一環として扇子を持ち歩く人が増えたことによって、若者やヨーロッパやアジアからの観光客も増え、お客さんの層が広がったという。そのためシェル型などの近代的なかわいいアイテムも揃えている。扇子の専門店と聞くと敷居が高いイメージがあるが、このお店では324円で民芸竹うちわが買えたり、セール品などの掘り出し物もあるので気軽に立ち寄りやすい。人形町では祭りも多く開催されており、金谷さんも毎年お手伝いに行くそうだ。やはり祭りの雰囲気に扇子は欠かせない存在である。人形町という風情ある落ち着いた街にぴったりな人柄の店主と素敵な扇子たちがある「かなや末広」。暑いときいつもうちわを使っている人達に是非このお店の扇子を使ってみて欲しいと思う。うちわよりも趣向を凝らした扇子がきっと夏姿に似合うだろう。     (取材/写真と文 大澤有佳里)金谷行廣かなや末広住所 東京都中央区日本橋人形町1丁目5番10号TEL 03-3668-9951~3明治15年創業。京都から東京に進出した扇子専門店。繊細で魅力的な作品は天皇陛下にも気に入られ、実際にかなや末広の扇子を使用したことがあり、幅広い世代に認められている。だるまやうちわなど日本特有の雑貨も多く取り揃えている。中央区東京23区〜人形町の老舗扇子屋〜日本に良い風をまるで昭和時代にタイムスリップしたかのような感覚になる店構えの、老舗かき氷屋「石ばし」。氷問屋を50年、亡くなった旦那さんが「ちゃんとした日本の削った氷を出したい」という思いでかき氷屋を始めて40年になる。氷は《純氷》(基準で1㎤の中に雑菌0の氷)を使っている。店内に入ると最初に目に入るのが、かき氷機だ。戦前に作られた物で今でも大きい氷を削る時に使われている。「道具というのは改良されてきて新しい方が使い勝手もいい。安全性も劣るけどフォルム的にいいから今でも使っていますよ」。 かき氷の種類は実に30種類以上。 東京都でこんなに種類があるかき氷屋さんは他にないだろう。1番人気は《紅茶ミルク》。石橋さんのオリジナルレシピだ。氷を削ってはシロップをかけ、何層にも重ねていく。作っているところを見ているだけでヨダレが出そうになる。仕上げにミルクをかけたら出来上がり。ふわふわの氷がキラキラ光っていて、まるで宝石のようなかき氷は一口食べた瞬間、口の中でスーッと溶けてなくなった。今まで食べていたつぶつぶのかき氷とは比べ物にならない。やはり削り方が違うのだろう。(取材/写真と文 田中由樹)石橋 久美子かき氷や 石ばし住所 東京都世田谷区三軒茶屋1-29-8TEL  03-3411-2130世田谷区の閑静な住宅地の中にある老舗かき氷屋石ばし。本来は平日のみ営業、夏季は日曜祝日も営業。まごころこもったかき氷は子供から大人まで幅広い世代に人気。冬季は焼き芋を販売。営業時間:AM11:30~PM18:00世田谷区東京23区スッとなくなる夏の宝石~三軒茶屋にある昔ながらのまごころかき氷屋さん~

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